技術情報 Technical information

可動部用ケーブル 耐久試験

可動部に使用されるケーブルは、装着される機器の性能に大きく影響します。弊社では以下の耐久試験を行う事により、ケーブル耐久性能の把握、新規高性能ケーブルの開発、品質の保持に繋げております。

試験方法

1)左右屈曲試験

弊社屈曲試験は、省令の「電気用品技術基準」に基づいた独自の基準により次の通り行う。
約1mの試料片端を図1のように固定治具に取り付け、表1に定める過重をかける。
試料に電流をかけながら左右に繰り返し屈曲させ、断線に至るまでの回数を測定する。
同時に、外層シース、絶縁体、及び導体の磨耗、損傷度合いを確認する。

左右屈曲試験
表1
試験条件 屈曲速度 屈曲角度 曲げ半径 チャック間距離
心線単体 ケーブル
弊社標準条件 50回/分 ±90° D×3 4.9N 9.8N
設定可能条件 10~60回/分 0~±90° R3~R60 2.94N・4.9N・9.8N
※Dはケーブル外径表す

2)捻回試験

弊社捻回試験は、a)垂直捻回と、b)水平捻回の2種類の方法で次の通り行う。

(a)垂直捻回試験
約1mの試料を図2のように取り付けて垂らし、表2に定める過重をかける。
試料に電流をかけながら繰り返し捻回させ、断線に至るまでの回数を測定する。
同時に、外層シース、絶縁体、及び導体の磨耗、損傷度合いを確認する。

(a)垂直捻回試験
表2
試験条件 捻回速度
(1往復)
捻回角度 荷重
弊社標準条件 10回/分 ±360° 4.9N
設定可能条件 1~100回/分 1~±1080° 2.94N・4.9N・9.8N

(b)水平捻回試験
表3に定める長さ(チャック間距離)の試料を、ねじれの無い状態で図3のように回転子と固定冶具に取り付ける。試料に電流をかけながら繰り返し捻回させ、断線に断線に至るまでの回数を測定する。同時に、外層シース、絶縁体、及び導体の磨耗、損傷度合いを確認する。

(b)水平捻回試験
表3
試験条件 捻回速度
(1往復)
捻回角度 チャック間距離
弊社標準条件 10回/分 ±360° 500mm
設定可能条件 1~100回/分 1~±1080° 100mm~1000mm

3)ケーブルキャリア試験

弊社U字型折り返し試験はケーブルキャリアへの装着を主眼に置き、キャリア試験機に実装の上、弊社独自基準にて行います。
約1.5mの試料を図4のようにケーブルキャリアへセットし、表4に定める条件で試験をする。
試験は確認する内容に応じて次の2通りの方法とする。
(1)所定の回数往復を行い、定数完了後の外層シース、絶縁体、及び導体の摩擦、損傷度合いを確認する。
(2)試料に電流をかけながら往復させ、心線間での短絡、シールドの断線、又は断線に至った回数を測定する。

ケーブルキャリア試験
表4 試験条件
試験条件 移動回数 移動距離 曲げ半径 加速度
弊社標準条件 80往復/分 500mm ケーブル外径×5 3.5G
設定可能条件 10~120往復/分 50mmピッチ
最大500mm
R28以上で
任意設定可能
1~4G
  • ケーブルキャリア試験

    弊社ケーブルキャリア試験装置

  • ケーブルキャリア試験
  • <参考>ケーブルキャリア配線について
    ケーブルの持つ特性を十分に活かすために、配線方法は重要な要素となります。
    ケーブルキャリアに装着する場合の目安を以下に提案致します。

ケーブルキャリアの選定

曲げ半径 キャリアの曲げ半径は、ケーブル外径の5倍以上確保を推奨します。
キャリア高さ キャリアの高さは、ケーブル外径の1.3倍以上確保を推奨します。
ケーブル占積率 ケーブル占積率は、30%以下を推奨します。
<占積率の計算式> 同一外径のケーブルの場合
占積率=((ケーブルのπR2)×本数)÷(キャリア内縦寸法×キャリア内横寸法))×100

ケーブル装着時の留意点

  • (1) ケーブルのねじれ
    ケーブルの印字を目安とし、可能な限りケーブルのねじれが無いよう敷設してください。
    ねじれたまま設置すると、ご使用中に負担がかかり、耐久性の低下に繋がる可能性が有ります。
  • (2) 結束、又はキャリア内での固定
    ケーブルの結束、及び固定はキャリアの端部で行ってください。
    移動部分で固定をしますと、ケーブルの持つ曲げ応力の分散特性が失われ、性能が発揮出来ません。
  • (3) ケーブルの張力
    ケーブルは、張力を加えないようにケーブルキャリアの内、外Rの中心を通るよう設置してください。
    張力を加えてしまうとケーブルキャリアの内壁でシースが削られ、ケーブルの耐久性が大きく低下します。
  • (4) ケーブルの複合配線
    敷設するケーブル径が大きく異なる、もしくはホース類と同時に敷設する場合は同一ケーブル毎に仕切り板を設ける事をお勧めします。
    ケーブルは1本づつ仕切り板で分けるのが最も理想的です。
  • (5) ケーブル間の隙間
    キャリア内で隣接するケーブル、及び周囲には隙間を設けてください。
    ケーブルが密接しているとケーブル同士が干渉して性能が発揮出来ない可能性があります。
    油圧ホース、エアホースをケーブルと同時に敷設する場合は、ホースの膨張分を御考慮ください。
<隙間の目安>
丸型ケーブル 外径の12%以上 ※左記の目安にかかわらず、最低1mm以上の隙間は確保するように設定するのが望ましい。
平型ケーブル外径の12%以上
エアーホース外径の12%以上
油圧ホース外径の20%以上
  • 【ケーブルの設置例】

    【ケーブルの設置例】

    【ケーブルの設置例】

    隣のケーブルを乗り越えないようにする

  •  

    【ケーブルの設置例】

    【ケーブルの設置例】

    隣のケーブルを乗り越えないように仕切板を入れる

  • 【好ましくない設置例】

    【好ましくない設置例】 【好ましくない設置例】

燃焼試験

試験方法 試験概要 試験機

垂直トレイ難燃試験
(Vertical tray flame test)

UL1685
FE4-IEEE 1202

試験試料:2400mm
燃焼ガス:LPガス
燃焼時間:20min

<判定基準>
ケーブルを垂直トレイ上に、ケーブル外径の1/2間隔で150mm幅となる本数分をトレイに固定しリボンバーナーで20分間燃焼させた時、ケーブル上端まで延焼しないこと。

垂直難燃試験
(Vertical flame test)

UL758、UL1581
UL VW-1

試験試料:457mm×1本
バーナー:チリルバーナー
燃焼時間:15分間燃焼後、15秒間休止を5回

<判定基準>
・15秒間隔で炎を5回照射したとき、各照射後60秒以内燃焼しないこと。
・ケーブル上部に取り付けた旗が、25%以上燃えないこと。
・有炎若しくは、燃焼物が落下し脱脂綿に着火しないこと。

傾斜試験
(Slope test)

JIS C 3005 4.26 難燃

ゴムプラスチック絶縁電線試験方法

試験試料:300mm×1本

<試験方法>
水平試験:試料の中央部の下側に30秒以内で燃焼するまで炎を当て、炎を静かに取り去ったあと、試料の燃焼の程度を調べる。

水平試験
(Horizontal Flame Test)

JIS C 3005 4.26 難燃

ゴムプラスチック絶縁電線試験方法

試験試料:300mm×1本

<試験方法>
完成品から採取した長さ約300mmの試料を、水平に支持し、還元炎の先端を試料の中央部の下側に、30秒以内で燃焼するまで当て、炎を静かに取り去ったあと、試料の燃焼の程度を調べる。